今ある薬をさらに効果的にするには2

腎臓がん

これもまた、説明するのがほねがおれるんですけど、
たての1本1本が、ひとりの人です。
ここに、いろいろな遺伝子が書いてあるんです。
色分けしています。
血管新生の遺伝子がいっぱい出ているのが黄色です。
青いところは、免疫抑制が、かかっていない人です。
そのようなイメージです。
黄色い人たちというのが、
免疫チェックポイント阻害剤が効きやすい人たち、
こちらは、あまり効きがよくない人たちです。
よく見てみると、免疫が効きやすい黄色の人たちも、
下に降りてくると、免疫抑制が、かかっている人たちは、
単独では、効きにくいかもしれない。
免疫抑制がかかっているから、オプジーボ単体では効きにくい。
こっちの赤の人たちは、免疫抑制がかかっていないので、
オプジーボ単独で効くかもしれないんです。
ただ、青い人たちは、どうすればいいかというと、
免疫抑制の細胞をブロックするようなお薬を加えると、
オプジーボがまた効きだす可能性があるわけです。
この免疫抑制を抑えるようなお薬、血管新生阻害剤、
先ほどの、インライタですけど、
そのような作用があることも、わかっているので、
このような人たちには、血管新生阻害剤を加えたらいいし、
もしかしたら、真ん中の人たちは、PD-1、PDF-1阻害剤だけでも、
効果をだしてくれるかもしれない。
もうひとつ、免疫抑制がかかっている人たちに、
先ほどの血管新生阻害剤を加えたら、PD-1、PDL-1が効くかというと、
もともと効かないところに加えても、また効くようにはならない。
こういう人たちに加えても意味がない。
もうひとつの、一旦効いたら長く効くという話なんですけど、
この人は、ジムアリソン先生といって、
本庶先生と一緒にノーベル賞を取った人です。
この人のインスティテューションに留学していたんですけど、
この人は、ヤーボイを開発した人で、
キュアビリティと書いてありますが、治癒です。
がんを治したいという思いで、
イピリムマブ(ヤーボイ)を開発したんです。
本当に治るのかという話なんですが、
実際、なかなか難しいデータだと思うんです。
一旦、効いた人は、長く効くという話なので、
一旦効いた人たちだけを集めたデータです。
こっちは、オプジーボ単独、
こっちはヤーボイとオプジーボのコンビネーションです。
オプジーボ単独、これ二次治療ですけど、
青い線が一旦効いた人たちなんです。
一旦効いたけれども、だんだん効かなくなっている。
この2年経ったあとも、やはり再発する人が、
出てきている状況です。まだカーブが下がっているんです。
ただ、こっちは、ヤーボイとオプジーボを加えたら、
24ヶ月の時点から、ほぼ再発がでなくなってくる。
ここがこうまっすぐになってくる。
落ち続けてるってことは、
まだ再発する人がでてくるということなんですが、
ここから以降、あまり再発しなくなっていることなので、
一旦効いた人たちの約半数の人たちが、そのあと、
もしかしたら治ったんではないのか、
2年経っても再発しないという状況になっているデータです。
これも、同じようなデータですが、先ほど一旦効いた人は、
オプジーボとヤーボイのコンビネーションだと42%いるんです。
この42%のうちのさらに半分くらい50%なので、
トータル20%くらいの人たちが、もしかしたら、
治ったんではないか、治癒したんではないかというくらい
よく効いているということになります。
本当に、この20%の人たちが完治したかどうかは、
また、今から様子をみていかなければわからない。
オプジーボ単独が効かないメカニズムの一つですけど、
これCD8T細胞群て書いてますけど、
がんを直接攻撃して、やっつけるリンパ球です。
やるぞと言って、しばらく働くと、疲れたといって、
もっと働くと、もうだめだとなって、
最終的には、バタンキューとなってるんです。
オプジーボを加えるとどうなるかというと、
やるぞというものが、また増えるんです。
疲れたというのも、回復するんです。
やるぞという細胞もどんどん増えてくれる。
CD4は、もうオプジーボを加えても、増えもしないし、回復もしない。
バタンキューとなるのは、アポトーシスといいますが、
リンパ球は死んでしまう。
CTLA-4をこれに加えると、どういう作用があるかというと、
ここはもちろん、PD-1、PDL-1だけでも回復して増えるわけです。
でも、さっき増えなかったものたちは、
ヘルパーCD4T細胞群というものが出てくるんです。
CD8を助けるような、CD4という細胞が、CTLA-4のおかげで、
リンパ球が出てくるんです。
そうすると、一旦疲れたものも、また回復して増えてくれる。
そういうことがあります。
なので、PD-1単独では、ダメだったこういうようなものにも、
CTLA-4を加えることによって、また増えてくれるという、
そういう作用も、このヤーボイにはあります。

腎臓がん
スポンサーリンク
シェアする
kanameをフォローする