10月15日 癌専門病院外来

腎臓がん

担当医師にご挨拶

以下、先生とのやり取りです。録音を元になるべく先生の言ったことを忠実に再現しています。

(よろしくお願い致します)今日はおひとりですか。(はい)

左側の腎臓の腫瘍のことですね。(はい)

治療をこちでご希望ですか。

(総合病院での経緯を説明)

左の腎臓の下のところに2センチちょっとぐらいですね。多分悪性だと思うんですけども、

良性の可能性というのはだいたいこういう腫瘍の場合、3パーセントぐらい、

悪性だと思って手術したら良性でしたってことはだいたい3パーセント弱ぐらいになります。

腎臓を全部取ってくるのではなくてここだけ取ってくればいいかなっていう感じですけどね。

腫瘍だけ取って良性か悪性かを見てっていうところです。

腫瘍の大きさもそんなに大きくないので、あまり緊急性はなさそうです。

腎臓の癌の場合、だいたい3、4センチ超えてくると転移を起こしやすくなったりします。

これぐらいの腫瘍で大きくなるスピードって年間だいたい5ミリ未満ぐらいなので、

しばらくほおっておいても大丈夫だとは思います。

治療方法は、基本的にはもう手術になっちゃうんですね。

腎臓の場合、全身に転移してたりとか、そういうのがない限りは基本は手術が第一選択です。

それ以外っていうのはあまりなくて、手術できないくらい具合が悪い人とかは、

凍らせる治療とか、やったりするんですけど、

手術するか様子見るかどっちかという選択肢ですかね。

(おいててよくなることってないですよね)

そうですね。よくなることはないと思うんですけど、変わらないって可能性はあります。

(おいておいて死ぬまでこのままってこともあるってことですか)

若い人なので、あまりおすすめはしないです。

(癌を手術して転移した人がいるのですが、早めに手術した方がいいのか)

癌を手術して転移したというのは、状況がよくわからないので何とも言いにくいんですけど、

手術が原因で転移したというのはあるかもしれないんですけど、

おそらくはもともと体力とかがあまりなくて、手術が原因で体力が弱くなってしまって、

それで免疫が下がって、いっきに悪くなったりとかそういうことはまあ、あることですね。

ある程度進行した状態とかだとあるんですけど、

早期癌で手術して転移しちゃったっていうのは、

それが手術が原因ていうことはあまりない気がします。

(私の場合、まだ小さいですが、癌の確率は97%ということですか)

そうですね、だいたいそれぐらいかなと思います。まあだいたいそんなもんなんです。

手術する人はだいたいそれくらいなので、癌じゃないかなと思って手術すると、

たまに違う人がいるっていうそれぐらいです。

(手術した方がいいですか)そうですね。

(ではお願いしたらどのような手術になるのですか)

腹腔鏡手術かロボットの手術で、腎臓を残してくる手術、腎臓の部分切除です。

腎臓っておしっこをつくっているんですけれども、腎動脈という太い血管があるんです。

あともうひとつ、腎静脈といって太い血管があって、

1分間に血流が1リットル以上流れてくるような非常にこう血の塊みたいな臓器で、

腎臓は何をしているのかというと、おしっこをろ過しているんですね。

動脈から入ってきたのが、こう尿を作ってですね、残りが腎静脈で戻ってくるんですね。

で、おしっこの通り道がこの内側にあるんですね。

今こういうところに腫瘍があってだいたい2センチ強ぐらいですね。

腎臓にできる腫瘍っていうのは、

典型的な腎細胞癌というのがだいたい8割ぐらいなんですけど、

ちょっと典型的ではなさそうなんですよね。

腫瘍が非典型的な腎腫瘍なので、

たぶん前の病院の先生もちょっとよくわからないということだったと思うんですよね。

腎臓の癌というのは普通はすごい血管が多いので、

こうやって造影剤を使って写真を撮ると真っ白に染まるんですけど、

あんまり染まってないんですね。

あまり血管が多くない非典型的な腎腫瘍ということになります。

治療方針は基本的には、腫瘍と少しの正常部分を付けて取ってくるという手術、

腎部分切除術というものです。やり方はいろいろあって、腹腔鏡でやるっていうのが一つと、

ロボット手術って聞いたことありますか(はい)と、

あとおなかを開ける方法があって、多分どれでもできるんですよね。

ロボットの腎臓手術は1月からなんですよね。そこまでお待ちいただけるなら、

ロボットがいいかなと思うんですけど。

何が違うかというとですね、まずお腹開ける手術は傷が一番痛いんですよ。

こう横からぐーっと横に切って手術をするので、

腹筋ってこう走っているので全部筋肉を切断するのでちょっと痛いんですよね。

しばらく痛いというのがあります。

手術自体はまあそれなりにやりやすいので、

術後のクオリティーもいいんですけど、痛いっていうのが一つ。

腹腔鏡の手術は、小っちゃい傷を5か所くらい開けて、手術するんですけども、

この手術の難しいところっていうのは、

切ってくるだけではなくって縫ったりするんですよね。

あまりちょっとイメージ難しいんですけど、腹腔鏡っていうので使う道具って、

40センチぐらいのハサミとか握る道具を鉗子(かんし)っていうんですけど、

ピンセットみたいなので操作するんですけど。

(たまたま昨日テレビでやってて見ました)

腹腔鏡のって見ました?問題は関節がないのでこういう動作しかできないのでちょっと難しい。

ロボットの手術は、人の手より関節がいっぱいある小っちゃい手を使ってやるので、

腹腔鏡手術ではこういう動作しかできないのが、

ロボットの手術はこう手が下からも出るし上からも出るし横からも出るし、

一番違いがあるのが、縫ってくる動作のクオリティーがすごい高いので、

一番ロボットの手術がいいかなと思います。

(ロボット手術はテレビでも紹介されており、こちらの病院でも導入されている)

(腎臓癌にも対応できると調べてましたので)

年明けまで待っていただけるかどうか。(はい)

だいたい年間5ミリ未満づつ大きくなっていくので、これでも結構早期発見に入るので、

そこまで待つのに医学的な問題はほとんどないんじゃないかなと思います。

(費用の面は、保険適用は)

費用はほとんどいっしょです。3割負担ですよね。皆さん高額医療制度を申請するので、

全部一緒だと思います。開腹はちょっと安いかと思いますけど、ほとんど一緒だと思います。

(そうですか ではロボットでお願いします)

(それで、癌になった原因って何ですか)

59歳っていう年齢で、単発、1個だけなので、遺伝性のものではたぶんないと思うんですけど、

原因ってやっぱりわかんないっていうのが正直なところで、

腎癌で言われているのが、何パーセントかは家族性っていうのがあるんですけど、

基本的には遺伝子変異の病気で、ただ遺伝子変異と言っても、

もともと生まれついての遺伝子変異がある人っていうのは、もっと若くしてなるんですよね。

30代から40代ぐらいまでにはなるんですよね。

基本的には、後天的な遺伝子変異の問題なので、わかんないっていうのが正直なところで、

どっかしらで傷ついた遺伝子があって、

それを通常は修復して癌ができないようにしてるんですけども、

その修復する過程がうまくいかなくてなってきたっていうもので、

例えば生活習慣だとかそんなに関係ないんですよね。

(尿管結石は関係性はあるんですか)

関係はないです。おしっこの通り道の癌で炎症が原因でできるタイプのものもあるんですけど、

それは腎臓の中にはできない、おしっこを作るところにはできないんですよね。

なので、石の関係はないんじゃないかなと。

(まだ石もあるんですかね)

石はそうですね。今回は腫瘍が比較的ですね表在性といってこういうふうにできてるんですよね。

厄介なのはこういうふうにうまっちゃってるタイプなんですけど、

まあ比較的腫瘍自体はやりやすいんで、場所が腎臓の一番下のところなので、

それはそれでちょっとやりにくいところではあります。

あとはどういう手術をしているかというと、腎臓って血管の塊なので、

ちょっと切ると血がビュービューでてくるんですね。

なので手術中は、血管を遮断しちゃってるんですよ。クリップをかけて血流を遮断しています。

血流を遮断すると、30分以上経つと、腎臓に影響がでちゃうんですね。

30分ぐらいまではいいといわれていますから。

この30分の間に、切って、切ったところを縫ってっていう操作をしないといけないので、

制限付きの手術なんですよね。

切って縫ってっていくらでも自由にやっておければどの方法でもいいんですけど、

ある程度スピードが必要なので、そういう意味ではロボットがいいんじゃないのかなと思います。

(わかりました)

年明けになってしまうので、また11月か12月ぐらいにいらしていただいて、

麻酔科を受診していただく必要があるんですね。

手術受ける方皆さん麻酔科を受けていただいているんですけども、その日程を決めさせてください。

あと他に聞いておきたい事とかは。

(手術の後はどうなのですか)

基本的には追加治療はしないです。取って、あとは3か月に1回CT撮って様子見ていく感じですね。

最初の5年ぐらいまでは、半年に1回ぐらいチェックして、5年から10年までは年1回、

10年で一応卒業っていう感じです。

(入院期間は)

だいたい前日に入院して、翌日手術、手術は3時間ちょっとぐらいです。

術後1週間ぐらいで帰る人が多いです。

10日弱くらいです。この手術は、1か月間出血しやすい時期があると言われているので、

手術の1か月以内は、激しい運動ですとかお酒がダメなんですね。

(車の運転はどうでしょうか)

たぶん大丈夫だと思います。激しい運動とは、腰をひねったりとか、重たい物を持ったりとかです。

今回の手術に限らずですけど、1か月ぐらいはおとなしめにしておいたほうが

いいんじゃないでしょうかというふうにお伝えしています。

(わかりました)

1月8日か15日を候補日とします。お腹の手術とか、したことありますか。

(小学校6年生時に盲腸のみ、あとは破砕です)

左もありますか。(はい)破砕してると癒着してますかね。(問題なしです)

結構影響が残ってるんですよ。実際に腎臓を見ると。

多分まわりと癒着しているんじゃないかなと思います。

(ロボットは)いい治療だと思いますよ。他の治療に比べたら。

万能というわけではないんですけども、他と比較すると今一番いい治療だと思いますので。

平均点が上がるデバイスなので、手術ってだいたい上手くいくんですけど、

みんなの平均点があがるのでトラブルが減るんじゃないかなと思います。

たとえば、腹腔鏡でうまくいかない人がロボットやったらうまくいったりとか、

そういうのはおこりうるので、平均点を上げてくれる道具だと。(安心しました)

(高血圧とかの薬を服用していますが)

3種類飲まれてますね。続けていただいて大丈夫です。続けてください。

(結石は)治療はさすがにここではできないが、治療する必要があれば、紹介はできます。

こちらで次CT撮るのが4月、5月なので大丈夫です。

腎臓の手術の後に、結石が落ちることがあるんです。そうなったらそうなったで考えます。

基本的には、早期発見なのであまり寿命とかには関係ない可能性がかなり高いです。

(そうですか)10年間で再発しない確率が9割以上くらいです。(わかりました)

手術まで3か月ぐらいあくので、術前検査が必要なんですけれども、それをですね、

麻酔科でいらしていただくときに撮らせて欲しいんです。(はい)11月19日で大丈夫ですか。

(はい)この日、採血と尿検査とレントゲンと心電図を病院に早めに来ていただいて、

とってもらっていいですか。

(はい)麻酔科の受診と泌尿器科の受診があります。一応1月の8日で設定しておきます。

(早いほうがいいです)もしかしたら1週間ずらさせていただくかも。

(お任せします)11月19日の10時半から麻酔科を受けていただきたいんですけども、

検査がその前にいくつかあるんで、9時過ぎぐらいに来ていただきたい。

麻酔科が終わったあとに泌尿器科にいらしていただくようにしますので。

(わかりました)このあと、超音波で少し腎臓を見させてください。今日は比較的すぐ終わります。

麻酔科で来られた日に手術のもう少し細かな説明と同意書をお渡しします。

このあと外でお待ちください。

【先生に超音波で腎臓を見ていただく】

 

 

腎臓がん
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