今ある薬をさらに効果的にするには1

腎臓がん

インターフェロン時代、2001年~2006年までの時代。
生存率が、どのように変わってきたかというと、
予後不良、中間、予後良好ですが、昔は、中央値で、
5ヶ月、14ヶ月、30ヶ月というふうに言われていたんです。
2013年、血管新生阻害剤が出てきた時代にどうなったかというと、
7.8ヶ月、22.5ヶ月、43.2ヶ月と、約1.5倍に増えました。
なので、治療によって生存期間が、もちろん中間値ですが、
しっかりデータとして、伸びてきたとういうことがわかります。
免疫チェックポイント阻害剤の時代になって、これがどうなったかというと、
これは、予後不良と中間だけを合わせたデータが、
オプジーボとヤーボイを組み合わせたデータです。
40ヶ月を超すような状況に今もうなってきたということです。
悪かった人たちですら、40ヶ月、
予後良好の人たちに肉薄するくらいまで、
伸びてきたということが言えます。
こうやって、治療法の開発によって、
どんどん生存率が伸びてきています。
先ほど示した近未来、こうなると話した内容ですが、
注目してもらいたいのが、両方とも、
PD-1阻害剤とか、PDL-1阻害剤と呼ばれる、
免疫チェックポイント阻害剤が入ってます。
本庶先生が開発したオプジーボも入る類のお薬です。
これは、基本に入ってくるんですけど、
では、血管新生阻害剤を使った方がいいのか、
それとも、CTLA-4を組み合わせた方がいいのか、
たくさん出てきたのはいいけど、どうやって使い分けるのか、
今、臨床現場で、困っているところなんです。
どっちを組み合わせた方がいいんだろうか。
実際、まだ今のところ、答えはないんです。
答えはないんだけれども、お薬のメカニズムを考えて、
これを組み合わせると、どういう効果が得られるのか、
何をねらってこれを合せるのかを考えて、
今、研究をやっているところなんです。
それを紹介したいと思います。
免疫チェックポイント阻害剤、ノーベル賞取りましたけど、
何がノーベル賞に値したのかというと、2つの特徴があるんです。
2つの特徴のうちのいい方、ノーベル賞に値するって思われたのは、
実はこっちなんです。結局、どういうことかというと、一旦効くと、
効果が長く続く。
昔の一般的な抗がん剤は、一度よく効いて、小さくなるけど、
ある一定の期間が経つと、ほぼ必ず、また悪くなる。
それが、何ヵ月とか1年とかになるかもしれないけれども、
少なくとも、そのまま治ってしまうということが、
あまりなかったわけです。
それが一旦効いた人が、治ったんじゃないかというくらい
すごく長く効果が出る。それが、ノーベル賞を取った理由なんです。
一旦、効くと長く続くというのがひとつの特徴です。
もうひとつの特徴は、これは、あまりよくない特徴で、
効く人と効かない人と、真っ二つに分かれるんです。
なので、効かない人にとっては、水と一緒なんです。
なんだけど、効く人にとっては、すごくいい効果を出すということで、
そこで真っ二つにわかれるということが問題点ではあるんです。
まず、問題点の方から、考えてみたいと思うんですけど、
この効かない人を、なるべく効く人側にもっていきたいんです。
そのためにはどうすればいいのかというと、
大きく3つのステップに分かれます。
それぞれのステップで、免疫チェックポイント阻害剤が、
効かない理由があるんです。その効かない理由に対して、
それを乗り越えるような、もう一つのお薬を加えたら、
免疫チェックポイント阻害剤が効いてくれるのではないか。
それを期待してコンビネーションにするんです。
これ免疫砂漠状態といいますが、
APCが、これが、がん細胞だよと見せてるけれども、
CTLA-4ってなんかよくわからないという細胞もいれば、
例えば、これががん細胞だよって見せる手を失っているAPC、
見せることができないというような体制のメカニズムもあるし、
見る側が、目隠しされて見えないと、そういうメカニズムもあるし、
それを、1個1個調べていって、例えば、その目隠しをとればいいとか、
見れるものを増やせばいいとか、何かしら、お薬のコンビネーションで、
できるようにする。
免疫立ち入り禁止状態といいますが、
がんまで、免疫が立ち入って行けない。この場合、この血管を通して行くのですが、
腎がんは、血管がいっぱい入ってきていると言いましたが、
正常な血管ならいいけど、がんに行く血管って、途中で行き止まりになったり、
すごく、くねくねしていたりとか、正常血管でないんです。
なので、リンパ球が、がんまでたどり着けない状況が起きることもありますし、
それだったら、血管を正常にすればいい、そのようにできるようなお薬を、
コンビネーションにすればPD-1が効くようになることもあります。
最後が、がんのところまでやってきたけれども、さっきみたいに袖の下を出されて、
攻撃しなくなるとか、たどり着いたけれども、がんの近くまで行けないみたいな、
免疫が到達しているけど、何か問題が起きている状態ということになります。
結局、いろんなところに、いろんな問題が起きると、
サイクルが回らなくなって、オプジーボや、キートルーダが効かなくなるので、
その問題になっているところを、解決するために新しいお薬を加えよういう、
そのようなコンセプトです。

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